No.15 96/8/5 マイクロソフト Tech-Ed 96 レポート


マイクロソフト(MS)の最大の技術セミナーである、Tech-Ed 96 Yokohama に参加しました。大盛況とは言えなかった昨年に比べて、今年は大盛況で定員の2000 名を超える申し込みがあったそうです。もちろん、インターネットに向けて大方 向転換したMSの動向によるものであることは間違いありません。私自身、MS の方向性を整理して把握することができました。

MSのインターネット技術は非常に洗練されていて、思っていた以上に優れて いると感じました。スピーカはほとんど米本社の開発マネージャでしたが、みん な自信満々に話していました。

Windowsの既存の資産をインターネットに融合して使うための技術が中心にな りますが、これはオブジェクト(ソフトのコンポーネント、部品)同士でコミュ ニケーションする手段を提供するもので、優れたコンセプトだと思います。

しかし、一方で現在のところ、Windowsの世界だけで通用するもので、その点 が最も弱いところです。この規格(COM)は他のプラットフォーム(UNIX,MAC)にも 適用されて行くということですが、すぐには完成し広まりはしないでしょう。現 在の業界はMS対反MS連合の様相を強めており、MSの自分中心の論理は通り 難くなっていると思うのです。我々のようなサードパーティもMS1社に依存し た体制は危険だと感じていますし、ユーザもそうです。反MS連合はJAVAと いう全てのプラットフォームで動く技術を中心軸にまとまって、大きな力になる のではないでしょうか。MSはインターネットの利用者の70〜80%はWindows なので問題ないと言っていましたが、このやけに楽観的な様子が非常に危険な感 じを受けました。

とはいえ、この優れた技術とこれまでの資産に、現在のWindowsユーザは魅力 を感じ続けるのかも知れません。この綱引きがどちらに転ぶか、この予測が我々 サードパーティの将来を左右することでしょう。皆さんはどう予想されますか?

以下は、セミナーの概要で、技術的な内容が中心です。興味のある方だけご覧 ください。後ほど専門的な内容になります。特に印象的だった部分だけ、整理し てまとめました。

---------------------セミナーの概要-----------------------

1.Webサイト作成ツール Front Page

これは、思っていた以上に強力なツールだという印象を受けた。
従来あるNetscape Goldやホームページビルダーと違って、HTMLページを 作るのではなく、プログラムなしでWebサイトを作るツールである。Webの メンテナンスおよびオーサリングをする。

特徴は、

・Web作成ウィザードがある(企業プレゼン用、...)。
これにより、おおざっぱな構成の雛形を作ってくれる。

・その際にToDoリストを自動で作る。
Web作成ウィザードでは、具体的なページを後から作り込む必要があるが、 必要な部分をリストアップしてくれる。

・全ページのスタイルをメンテナンスすることが容易。
バックグランドや色などスタイルを定義し、そのファイル名を各ページで指定 する。

・リンクの関係のメンテナンスが容易。
ビジュアルにリンクの関係を把握できる。
リンクの変更を自動で整合。
ドラグでリンク(文字プロパティは前の文字と同じになる)

・ページウィザードが各種

フォームページウィザード
ユーザに入力してもらう項目を選ぶと、その項目名と入力テキストボックスと 送信ボタンのあるフォームができ、裏で動いてテキストファイルに保存するプロ グラム(CGI)の雛形までできる。確認メッセージも自動で作られる。
Search Bot
自分のページの検索の仕組みを作る。
CGIプログラムも自動作成。
Discussionウィザード
BBSの電子会議室のようなものを簡単に作る。
フレームを使う/使わないの指定もできる。

また、カスタムウィザードを作ることができる。

・HTTPでWebサーバー上を直接編集できる。
ローカルで作成して、転送も容易。
複数のURLに対応。

・HTML文章の作成機能も豊富。
イメージを入れるとGIFに変更。
イメージをトランスペアレント、インターレースに簡単にできる。
イメージマップを簡単に作成(好きな形)。
テーブル作成も容易(分割、文字サイズ)。
RTFを読み込むことができる。
Officeコンパチ(スペルチェッカーも共通)。
マルチレベルのアンドウが可。

2.ActiveX

・Winndowsの既存の資産をインターネットに融合して使うための技術。
オブジェクト同士でコミュニケーションする手段を提供する。

例えば、HTMLの中にJavaアプレットがあるとすると、従来はこの
アプレットに外からコマンドやパラメータを与える手段はなかった。
ActiveXはこれを可能にする。HTMLのフォームでユーザが入力した文字列をVB スクリプトあるいはJAVAスクリプトで読み込んで、JAVAアプレットあるいはActiveX(OCX) コントロールで表示するといった使い方をする。

・JavaをActiveXコントロールにするには若干のコードを付加する。

・コントロールのダウンロードしたときにコード・サイニングを付加し、改竄 されていないことを証明できるようにする。
シュリンクパックと同等になる。
無名メーカのサインでは信用してもらえない−>新参ベンダーには厳しい!

・インターネット・コントロール・パック
HTMLを表示するActiveX(OCX)コントロールや、HTTPの通信用のActiveX(OCX)コ ントロールをMSが提供している。

・ActiveXコントロール・パッド
ActiveXコントロールをHTMLに入れるツール。
ActiveXコントロールをHTMLに入れるのは結構難しいが、このツールを使えば 簡単に入れられる。

3.インターネット・インフォメーション・サーバ(IIS)

MSのWWWサーバのソフトウェアである。
特徴としては、
・他社の製品との互換性。
・パフォーマンス(速度)は最高。
・セキュリティは業界標準に対応。
・OSとのカプリング。
・アドミニストレーション(メンテナンス)の容易さ。Officeライク。
全く同様のWebベースのものもある。
・バーチャルディレクトリ。

また、外部との連携のために次の機能がある。

・CGI(他社製品と互換)
簡単だが、プロセスを新たに立ち上げるオーバヘッド高い。
・ISAPI(独自仕様、ブラウザには依存しない)
プロセスでなく、dllをコール。
・IDC(独自仕様、ブラウザには依存しない)
データベースアクセス用。
クエリーを記述したファイルI*.idc)にパラメータを追加してSQLコール。
結果はテンプレートファイル(*.htx)でHTMLを作成。
SQL Serverデータベースではインターネットで公開するためのライセンスフィ ーが必要だが、ACCESS(JET)では不要。

4.Microsoft Accessアプリケーションのアップサイジング・ツール

・Upsizing Wizardでエクスポートと同様にSQL Serverに移行できる。
・テーブルだけアップサイジングすれば、フォームなどは変更不要。
アリアステーブルが自動にできる。アリアステーブルとは、SQL Serverでは使 えないフィールド名などを、元のフィールド名を対応付けるもの。
・バリデーションルールやデフォルト値も移行できる。
・アップサイジングツールはソースコード・オープン。ユーザがオラクル用に 書き換えることも可能。

必要なチューニング
・インデックスを必ず作る必要がある。
・セキュリティをサーバに移行する。
・バックアップを手順化する。
・サポートされていないオブジェクトやメソッドがある。
・ユーザ定義関数をオプティマイズする必要がある。
・サーバが発生するエラーに対処−エラー番号に基づいて処理。

SQL Server Browser
・SQLサーバの変更をすることができるツール。
・ACCESSのデータベースウィンドウのような使い勝手。
・VBAの関数をデフォルト値に指定するとSQLの関数に変換してくれる。
・トリガー(チェックプログラム)を変更もできる。

5.Microsoft Visual J++(Jakarta)

Javaの特徴(C++と比べて)
・バイトコードのサイズが小さい。
・クロスプラットフォーム−インタプリタの移植はコンパイラより易しいため 。
・ポインタの代わりにリファレンス。
・プリプロセッサは危険(世界を変える)なのに対して、インポートは安全( 世界を取り入れる)。
・ガベージコレクション−メモリリークがない。
・インターフェースの継承をする。
・グローバルメソッド、バリアブルない。
・OSやローレベルのプログラミングはC++、教育にはJavaが向く。
・プロバイダ側はジャストインコンパイラ(JIT)はかけるかどうか指定で きるようになるだろう。
ユーザ側はループがあるときだけJITをかけるなどできるようになるだろう 。

Visual J++(Javaの開発環境)の特徴
・Visual C++と同じ環境。
・コンパイラJVCはSUNのJDKの10倍の速度。
・WindowsのリソースをJavaのコードに変換。
・デバッガ−IDEでできる。
オープンなデバッグインターフェース規格を追加。
Datatips(カーソルを変数に置くと値を表示)。
マルチスレッドデバッギング。
・ActiveXと統合。
・Nativeコンパイラも今後リリース予定。
・アプリケーションでありアプレットであるものを作ることができる。
・パラメータを表でインプリメントできる。

6.DAO(ACCESS,VB)を高速化する43の手法(文化オリエント社プレゼン ツ)

・ACCESSなどでプログラミングするとパフォーマンスが悪い場合がある。
これを改善するにはテクニックを使う必要がある。

・具体的内容はニフティサーブGO SBOCでデモ、スライドを入手できる。

前田 慎一(maeda@andrometec.com)



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